▼リセット。
*
16時40分。
見計らって部活終わりの涼ちゃんと合流して、一緒に歩く通学路。
「部活の事、お前マジで誰から聞いたんだよ?」
腑に落ちないような顔をして、私を凝視してくる涼ちゃん。
何かマズったかと一瞬心臓が冷えるものの、一緒にバス停への道を歩けているから結果オーライ。
涼ちゃんが助かった後でなら何とでも言い訳のしようがある。
「えっと…
茶髪の先輩だったかな。」
なんて、絞り込めないようにぼんやりと答えながら、繰り返しケータイの時刻表示に目をやった。
「ああ?茶髪?」
「あ、やっぱ黒髪だったかも」
「曖昧すぎるだろ」
あと4分。
あと4分で涼ちゃんを助けられる。
…勝負は、今だ。
「あ―――――!!」
揺れた、液晶。
42に電子文字が変化するのを合図に、私は何かを思い出したような声を上げた。