▼リセット。






『キキキィ――――ッ』








さっきまで穏やかな声のみが響いていた通学路。




突如つんざくブレーキ音と、断末魔に類するような凄まじい悲鳴。












ここは歩道のはずなのに、車体を揺らした大型車が、人を撥ね飛ばしながらもまっすぐに私たちに突っ込んでくる。







蜘蛛の子を散らすような周りの人達。




がっくりとうなだれた明らかに意識のない運転手が、刹那に私の視界によぎった。









叫び声が歪む。


腕がちぎれるほど傷んだと同時、






耳を壊すような轟音と衝撃が、私の意識をスローモーションで砕く。






―――赤が、散った。
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