▼リセット。
熱を持つそれに目をやって、ひきつっていく口元の感覚を忘れる。
『涼ちゃんが私を助けた?』
いや、と喉から漏れた声。
頭を抱えて何度も叫ぶ。
私の所為だ。
私が、こんなところに来なければ。
胸元の時計が熱を持つ。
運命を変えなきゃ。
こんなのはだめだ。
間違った。
私が間違ったんだ。
――――私が、涼ちゃんを助けなきゃ。
馬鹿にするように童謡を流す時刻放送。
割れたスマホに浮かぶ時刻は、ちょうど17時00分をさしていた。