▼リセット。
要はそのバスに、「先輩」は乗っていなかったことになる。
涼ちゃんは嘘をついた?
そして二回目。
部活が早く終わることを知っていた私に不思議な反応を見せた涼ちゃん。
「先輩に聞いた」で筋は通っているはずなのに、
私が知るはずのないことを知っていたかのように目を見開いて。
―――これは、どういうことだろう。
本題から外れた思案をいくらぐるぐると巡らせてみても、矛盾の答えにはいきつかなくて。
そんなこと考えてる場合じゃない。
とにかく助けなきゃと気持ちを焦らせながら、学校に引き返してはいけない、と書き足す。
いつもより濃い筆圧で、もやもやとした気持ちを押し潰した。