▼リセット。












ノートを閉じた乾いた音に、重なる抜き打ち小テストの号令。








ええー、と嫌そうな声を上げる皆に「抜き打ちなんだからしょうがないだろ」と
畳みかけるような先生の一声が飛んだ。








回ってきた3回目の英語の小テストは、私にとって抜き打ちでもなんでもなくて。








あまりにも簡単すぎるテストに上の空でシャーペンを進めていく。






涼ちゃんは1回目とも2回目とも違い、ただただテストに真剣な目で向き合っている。








…運命か少しづつ変わっているはずなのに。









もう解き終わった無意味な用紙が、くしゃ、と手の中で悲鳴を発した。




< 48 / 101 >

この作品をシェア

pagetop