▼リセット。
*
ノートを閉じた乾いた音に、重なる抜き打ち小テストの号令。
ええー、と嫌そうな声を上げる皆に「抜き打ちなんだからしょうがないだろ」と
畳みかけるような先生の一声が飛んだ。
回ってきた3回目の英語の小テストは、私にとって抜き打ちでもなんでもなくて。
あまりにも簡単すぎるテストに上の空でシャーペンを進めていく。
涼ちゃんは1回目とも2回目とも違い、ただただテストに真剣な目で向き合っている。
…運命か少しづつ変わっているはずなのに。
もう解き終わった無意味な用紙が、くしゃ、と手の中で悲鳴を発した。