▼リセット。




「どーでもいいから早く決めやがれ。」





「……じゃあ、いちご。」




「やっぱりな。」






お前昔からいちごしか頼まねーもんな、と笑う涼ちゃん。


お願い、と祈る気持ちで指を握りしめる。








「…涼ちゃんだってオムライス頼むんでしょ。」




「悪いかよ?」



「人には夕ご飯云々いっといて。」



「男子高校生はいいんだよ。」





お願い。

話しながら、また時計。




「……オイ、

さっきから何そわそわしてんだ?」



「ん、ううん別に。」



何でもない風を装いながら、冷たい水に口を付けた。





それはもともと冷え切った体に、さらに冷たく伝っていく。







お願い。

1分後、何も起こらないで。




針が動くたび心臓がつぶれそうになる。









「なあ、そういや明日土曜日だったよな?」



「…、うん。」



――――お願い。




「じゃあ、もし暇だったら」
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