▼リセット。
轟々と燃える椅子、机。
原形をとどめない木の棒が、硝子や皿だけを避けて焦げていく。
生きているのか否か。
さっきまで談笑していた人たちは、私と同じように力なくそこらに転がって。
さっきまではあったはずもない壁にあいた大穴から見える景色に目を凝らせば、
ファミレスにぶつかって横転したタンクローリーが、
凄まじい勢いで火柱を上げていた。
横転事故?
―――オイル、爆発。
何それ。
「……涼…ちゃ……」
動かない体を引きずって、私たちがいたあたりに近づいていく。
つい先ほどまでそこにいた涼ちゃんは、ひときわ燃え上がるあの火の中なのだろうか。
涼ちゃんが持っていたメニューがはみ出るようにして溶けていく。
焼けたプラスチック特有の刺激臭とともに、どろりと液状になったそれは私の足元に広がった。
「違う…違う!
何で何で何でッ!!」