▼リセット。
「…代償?」
耳慣れない単語を口に出して繰り返せば、
神様はくつくつとないはずの喉を鳴らした。
『きみがたった2回ループしただけで幼馴染君以外に何人の人が死んだと思う?
今だってほら、周りを見なよ。
最初の事故の倍は人が死んでる。』
言われるがままに視線を回せば血をながして苦しむ人たち、焼け焦げて動かない人だった「モノ」。
目を覆いたくなるような惨状がそこにはあって。
「…私の所為じゃ…
私の所為じゃ、ない。」
逃れるように逸らした目は、ぞっとするような恐怖に歪んだ。