▼リセット。
「リセット。」
涼ちゃんはいつも、16時10分に部活を終える。
私が涼ちゃんを待ち構えていた回数は、もうゆうに50回を超えているのに彼は毎回目を見開いて驚く。
やっぱり何かを隠しているのだろうか。
そんなことを気にする余裕なんてない。
今回、「明日暇なら俺の家来てくれねーか?」と誘われた。
そういえば3回目でそんなようなことを言おうとしてたっけ。
「うん。」と私は笑顔で頷く。
気休めに約束。
もし明日があったなら、なんて懲りない希望が心にポツリ。
けれどやっぱり、
…今回も涼ちゃんに明日はなかった。