▼リセット。
「おい、起きろ!」
呆れ顔の涼ちゃんが、反転した状態で私の顔をのぞきこむ。
さらりと揺れた前髪が手を伸ばせば届く位置にあるのも、
もう目に焼き付いた光景で。
「おい?」
全く反応のない様子に、彼は訝しげに私の頬を叩いた。
温かい。
始まりはいつも温かい。
また、今回も日がくれる頃には
このぬくもりを奪ってしまっているのだろうか。
そんなハズはないと否定できない。
もう、毎回の事なんだ。
そう、心の中でゆっくりと呟いた。
ふと、何かの琴線に引っかかった「毎回の事」という一言。
「―――――――………っ」
その「何か」が何であるかも認識できていなかったのに、
その瞬間、
それは唐突に吐き気に変わる。
毎回の事?
何それ。
涼ちゃんが死ぬのは毎回の事?
酸っぱい何かが喉元へとせりあがってきて。
………私は、
――――――――私はいつから、
涼ちゃんが死ぬことに
慣れてしまったのだろうか。
呆れ顔の涼ちゃんが、反転した状態で私の顔をのぞきこむ。
さらりと揺れた前髪が手を伸ばせば届く位置にあるのも、
もう目に焼き付いた光景で。
「おい?」
全く反応のない様子に、彼は訝しげに私の頬を叩いた。
温かい。
始まりはいつも温かい。
また、今回も日がくれる頃には
このぬくもりを奪ってしまっているのだろうか。
そんなハズはないと否定できない。
もう、毎回の事なんだ。
そう、心の中でゆっくりと呟いた。
ふと、何かの琴線に引っかかった「毎回の事」という一言。
「―――――――………っ」
その「何か」が何であるかも認識できていなかったのに、
その瞬間、
それは唐突に吐き気に変わる。
毎回の事?
何それ。
涼ちゃんが死ぬのは毎回の事?
酸っぱい何かが喉元へとせりあがってきて。
………私は、
――――――――私はいつから、
涼ちゃんが死ぬことに
慣れてしまったのだろうか。