黒薔薇




「なんであんな男見てんだよ。」


それが海翔に気づかれ、再びキスをされる。
さっきよりも深く。

周りからは、注目の的だった。

それはそうだ。
こんなとこでキスなんて……。


それでもあたしは、奏汰から目が離せなかった。

そしてなぜか、涙が出てきた。
理由はわからない。


「梨矩?」


あたしから離れて、あたしの名を呼ぶ海翔。


「ごめんなさい、海翔。」



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