黒薔薇




かわりに、苦しそうな奏汰の声と、真っ赤に染まった奏汰の服が目に入った。


「…奏汰っ!」


「……梨矩…怪我…ないな。
……良かった。」


奏汰は、あたしに精一杯の笑顔を見せた。


「は?なにがいいの!?
奏汰がこんなに怪我してるんじゃ、全然良くないじゃん!」


「……遼汰の…気持ち……わかった…気が…する。」


「もうしゃべらなくていいから。

おい、海翔。
なにしてくれてんだよ。」



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