黒薔薇




「…星樹?」


『梨矩?大丈夫か?』


「なにが?」


『なにが、じゃないだろ。
声震えてるじゃん。』


「……なんでもないよ。
それより、奏汰目覚めたよ。」


『そっか。じゃあ、すぐ行く。』


「うん。」


電話を切って、病室に戻ろうとする。
でも、病室の前まで来て、足を止めた。



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