黒薔薇




あたしの荷物を置くために、一旦あたしの家に行く。
すると、唯一の家族の兄、陽翔(はると)が出迎えてくれた。

父と母は数年前に事故で亡くしている。


「大丈夫なのか?梨矩。」


「へーきだよ。

はるくんも、いろいろとありがとね。
忙しいのにお見舞いとか…。」


「あたりまえ。
大切なやつだもん。」


「ありがと。
はるくんのそういうとこ、結構好き。」


いつでもそうやって、優しくしてくれた。



< 224 / 359 >

この作品をシェア

pagetop