黒薔薇




八雲くんは壁にもたれ、腕を組んであたしを真っ直ぐと見る。


「答えられる範囲でなら、答えますけど。」


「……これは、答えられないかもしれませんね。」


「なんですか?」


「覚えていますか…?
“遼汰”という名前を。」


りょうた?
……あの遼汰…?



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