黒薔薇




「……遼汰のこと、知ってるんですか?」


「知っているも何も、
僕の“兄”ですから。双子の。」


……だからか。

最初見たとき、似ていると思った。
全然違ったのは、声。
あとはそっくりだった。


「……2年前のことです。

覚えていますよね?
忘れられるわけ、ないですよね?」


「……はい、覚えています。
今でもはっきりと。」



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