黒薔薇




「家、こっちの方なの?」


「ああ。梨矩も?」


「うん。
どこまでかは、わかんないけど、一緒に帰ってもいい?」


「別にいいけど。」


その返事を聞いて、あたしは奏汰の横に並ぶ。


「なんでそんなに、ニヤニヤしてんの?」


「え、あたし、ニヤニヤなんてしてた?」


「してた。」


「じゃあ、ごめん。なんでもないよ。」


「そ。」



< 89 / 359 >

この作品をシェア

pagetop