あなたの優しさが…2
『姐さん、お帰りなさい』
……やっぱり慣れない
私は組員さんに頭を下げ
屋敷の中に入る
『姐さん、どうされました?』
『忘れ物』
それだけ言って
私たちはゆかりさんの部屋ではなく
一つの部屋に入った
そこは……衣装室かな?
タンスと鏡しかない
『美咲ちゃん、初めて?ここは着物室。ここで着付けもするのよ』
そう言って引き出しを開け
着物を出す
『これこれ……』
ゆかりさんが出した着物を私は見る