あなたの優しさが…2


私たちが話していると
ポツリ、ポツリと雨が降り出す


『美咲ちゃん、まず入りましょう』


ゆかりさんが私の手を引いてくれた
けど、その手を払う


『美咲ちゃん?』


「ゆかりさん……私は自分の夫すら信じられないんです」


ずぶ濡れになりながら話す
私の涙は雨として流れる



『美咲』


雅樹が私に向かってくる
ずぶ濡れになりながら……


『おいで……』


だめだ……
私の中で何かが崩れた


「…っ。ごめん、雅樹」

私は雅樹の手を取れない
ごめんなさい……
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