あなたの優しさが…2
雅樹が私を抱きしめてくれた
それだけで涙が出てくる
『会いたかった……』
雅樹の消えそうな声が聞こえる
「私もです……待っていてくれて、ありがとう。こうして戻ってこれたのも、お父さんのおかげ」
雅樹はそうかと言って何も聞いてこない
もしかして、知っていたのかな?
知ってて待っててくれたなんて……
涙が止まらない
「雅樹……まず、入ろう。ご飯食べる?それともお風呂にします?」
『ん……まず美咲を……って、風呂入ったのか?』
「はい、先にいただきました」
私が言うと雅樹は
あからさまにため息をついた