あなたの優しさが…2
「雅樹…ありがとう」
本屋さんを出ようとした時
走ってきた女の子が勢い良く
雅樹にぶつかってきた
『いたーぃ…ふっぇ…ふえーん』
女の子は泣き出してしまった。
「大丈夫?痛いとこどこ?」
私は女の子に合わせ、しゃがみこむ。
『だ、だいじょーぶ』
『ぶつかって…ごめんなさい』
とても素直な女の子
見ていても可愛らしくて
こっちまで笑顔になっちゃう。
「ううん、それより……これ」
女の子が落としたハンカチを渡した
そのハンカチは、可愛いクマが刺繍してあり、名前も刺繍してあった。
【たかはし まゆ】
高橋……日本中、たくさんいる
私の旧姓と一緒だ。