あなたの優しさが…2
目がさめると
私は病院にいた。
腕には点滴
風が心地よい……
『目が覚めた?』
声がする方に向くと、ゆかりさんがいた
『雅樹、すぐ来るから』
ゆかりさんは笑顔で私に話しかける
けど、ゆかりさんの目は腫れていた
「赤ちゃん……だめだったんですね…」
私の言葉にゆかりさんは何も言わない
「これで良かったんです……ほらっ、今出来たって、雅樹の子供だって誰も信じてくれないし……これで良かっ……っ」
良かったなんて思ってない…
私の頬に涙が伝う。
「……ごめんなさい…」
だめだ、涙が止まらない。
ゆかりさんは何も言わず
私を抱きしめてくれた
「……っ、ごめん、なさ…い」