あなたの優しさが…2


『……また痩せたな。どうせキルトに夢中でまともに食ってねぇだろ』


……お見通し
一人だと料理する気になれない

一人で暮らしていた時も
朝だけ食べていた
しかもコンビニのパン


「一緒に食べてくれる人がいれば、元に戻りますから大丈夫です」


そう笑うと
雅樹も笑ってくれて私にキスをする


軽いキスを何度も確認するように


おかえりなさい…
その言葉が言えないまま……


だから
私は雅樹の手を握った


おかえりなさい……って。


そしたら雅樹も握り返してくれた


なんか……
ただいまって言われた気がした。
< 91 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop