ぼくらのせかい
「さっちゃん!おはよー」
「あ、ナミちゃん。おはよー」
霧島鳴海、私の数少ない友人。
正に元気が取り柄です!というタイプの女の子。
元気以外にももちろんいい所たくさんあるけどね。
「今日は部活これるー?ハチくん平気?」
「うん、大丈夫。ハチは学校残って勉強するみたいだから、部活終わったら迎えに行くよ。」
「ありゃー、毎日ご苦労様ですな!」
「いやいや、全然苦じゃないよ」
自分の机にカバンを置きながらナミちゃんにそう言う。
はたから見たら記憶喪失の人間って苦なのかなあ。
私もハチじゃなかったら、苦に感じてるのかな?
「でもさー、ハチくん思い出したいんだよね?なくなった記憶の部分。なかなか大変だよねえ」
と言って、あ、課題やらなきゃ、とナミちゃんはあわててカバンを漁る。