ぼくらのせかい


「さっちゃん!おはよー」


「あ、ナミちゃん。おはよー」



霧島鳴海、私の数少ない友人。
正に元気が取り柄です!というタイプの女の子。
元気以外にももちろんいい所たくさんあるけどね。



「今日は部活これるー?ハチくん平気?」


「うん、大丈夫。ハチは学校残って勉強するみたいだから、部活終わったら迎えに行くよ。」


「ありゃー、毎日ご苦労様ですな!」


「いやいや、全然苦じゃないよ」


自分の机にカバンを置きながらナミちゃんにそう言う。




はたから見たら記憶喪失の人間って苦なのかなあ。
私もハチじゃなかったら、苦に感じてるのかな?



「でもさー、ハチくん思い出したいんだよね?なくなった記憶の部分。なかなか大変だよねえ」


と言って、あ、課題やらなきゃ、とナミちゃんはあわててカバンを漁る。




< 13 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop