ぼくらのせかい
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目が覚めたら、病院のベッドの上だった。
周りにはそんなに人はいなくて、ナース服を着た人と、黒い長い髪が綺麗な女の子。
ナース服を着た人は僕の目が開いているのを見ると、ばたばたとあわただしく病室を出ていった。
女の子に目を向けると、
今にも泣き出しそうな、でもどこか諦めたような色も含む瞳を細めて、僕の名前を呼んだ。
誰だろう。どうしてそんな瞳で僕を見ているの?
きみはだれ、と聞くと、その瞳を少し見開いて、
ぼくのコイビトだと言った。
アマミヤサチコ。
ぼくのスキナヒトらしい。