ぼくらのせかい
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「僕はね、本当にサチに感謝してるんだ。こんな何も覚えていない僕のコイビトでいてくれる。病院ばかりでデートもあまりできないのに。
だから、思い出したい。思い出して、サチとの大切な記憶を共有したいんだ。」
ハチはそう言ってぎゅっと私を抱き締める。
「ハチ…」
「サチ、好きだよ。」
ハチはちゅっと音を立ててキスを落とすと、私の首筋に顔を埋める。
好きだよ、
その言葉は、まほうのことば。