ぼくらのせかい
第六章
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「サチー、ちょっと聞きたいんだけど」
「んー?」
今日の夕飯はオムライスにしようかな、と冷蔵庫を覗いているとハチがひょこっと現れる。
「なんかさー、アルバム見てるんだけど、あの三年間の写真もあるんだけどさ、なんでかサチの写真は一枚もないの。なんでだろー?」
どくん、と心臓が跳ねる音がした。
「あー、私写真嫌いなんだよね、なんか恥ずかしくて。私とハチのやり取りしてた手紙とかならあるよ?」
「手紙?!なにそれラブレターってやつ?見たいような、恥ずかしいような…」
そう言って手で顔を覆うハチ。
くすりと笑いながら髪を撫でてあげると、
ちらりと額の傷痕が覗く。
「……今持ってくるね、ちょっと待ってて」