ぼくらのせかい
「あれ?誰だろ。ハチちょっと待っててね。」
「あ、ちょっとサチ…」
玄関を開けると、珍しい人物に目が丸くなる。
「大地くん?どうしたの?」
「あれ、雨宮?あ、そうか。そうだよな。嘉川は?」
「ハチなら部屋で休んでるけど…何か用?」
「なんか冷たいなあ…お兄ちゃんが大事なのはわかるけどさ」
「!!!」
ばっと大地くんの口を手で塞ぐ。
大地くんは、私とハチの関係を知っている。
大地くんのお母さんも、私の母とハチのお母さんの知り合いだったらしい。
「ってーな…なんだよ、変だぞ雨宮。」
「………」