ぼくらのせかい



それから毎日、ハチは私の家に来るようになった。

何をするわけでもない。

ただソファに座り、ハチは珈琲、私は紅茶を飲みながら
何時間も喋っていた。



はじめは突然のことに兄であるハチに戸惑いを隠せなかったが、
時折ふわりと柔らかく笑うハチにだんだん惹かれていった。




この笑顔も、甘い声も、全部が私の胸をしめつけていた。




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