ぼくらのせかい
「ねーサチ、たまには外でデートしよ?
それに学校では手紙だけのやり取りだし、
みんなには付き合ってることも内緒なんて、僕かなしー」
ぱたぱたと尻尾を振る様に寄ってくるハチ。
子犬みたいで可愛い。
「だって恥ずかしいんだもの。私はハチといられるならお家デートでも十分幸せだよ?」
よしよし、とハチの髪を撫でて言い聞かす。
ぷーと膨れながらも少し赤い顔のハチを見てふふ、と笑う。
「あ、珈琲きれてる。ちょっと買ってくるね」
「僕も行こうか?」
「ううん、大丈夫。すぐそこだし。ちょっと待ってて。」
ハチを残して部屋を出る。
ただ珈琲を買いに行っただけなのに、
あんなことになるなんて。