ぼくらのせかい
第十章
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私はまた、同じことを繰り返している。
ハチを、探さないと。
もう二度と、ハチの手を離してはいけない。
ばたばたと玄関を出ると、あの日と同じ光景が目に入る。
ハチの家の前にいる、二人の大人。
「……、嘉川さん」
「幸子さん。」
ああもう。また。
あの日と同じ。
「あなた、まだ八也と関わっていたの…?何度言ったらわかるの、あの子とあなたは…!」
「わかってます!!…っ、わかってるんです……
今度こそ、終わりにします。だから、今は行かせてください。」