ぼくらのせかい
「僕たち、兄妹、だったんだね」
「…っ、ハチ、ごめんなさい、私……」
「サチはそれを知っていた。初めから。」
くるりと振り向いたハチを直視できず、目をそらす。
すると、ふわっと香る、大好きな香り。
「ハチ…?」
「サチ、ごめんね、一人で苦しんでいたんだね。僕だけが、忘れて、救われて、ごめん。」
ごめん、と何度も呟きながら私を抱き締めるハチ。
ああ、あの日と同じ。
あなたは、あの日も、こうやって抱き締めてくれたね。