ぼくらのせかい
「嘉川さん…」
「幸子さん、お願い。これ以上あの子に近づかないで。お互いが想い合ってるなら、尚更よ。今回のことは、あなたのせいだとは言わないわ。でも、もう二度とあの子を傷つけないで…」
涙を浮かべながらそう言うハチのご両親に対して、私は何も感じなかった。
知らない、そんなの。
ハチと私以外の人の気持ちなんて。
ハチを傷つけてでも、
私はハチといる。
それが罪でも、誇れない愛でも、
だって、私たちコイビトだもの。