ぼくらのせかい


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「ハチ。」


パシッとハチの腕を掴むと、ぐいっと引き寄せる。



驚いた顔をするハチに軽くキスを落とし、ふふ、と笑う。





「さよなら、ハチ、好きだよ。」






私の初めての告白は
ハチの見開いた目と、私を呼ぶ声を聞きながらだった。




身が浮いて、橋から川まで落ちる間、



ああ、一度くらいハチの額の傷痕に触れておけばよかった、なんて考えていた。







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