大好きな君へ。 ~君がくれた宝物~
「未央、どうゆう意味だよ!俺より大事な奴って……!」
焦りでだんだん声が大きくなっていく。
別れようって言われるのが怖くて。言わせないために、ずっと何か言わないと。
「ヒロくん、聞いて……!」
「俺、未央以外の誰とも幸せになれねぇよ!?未央じゃないと…!」
未央に言わせないために、未央を無視する。
けど……
「ヒロくん!ちゃんと聞いて!!」
未央の大きな声に、俺は黙った。
すると、未央は優しく微笑んだ。
「あのね……いるの。ここに」
そう言って、未央は自分のお腹に手を当てた。
俺は訳がわからず、ずっと黙ったまま。
「ずっと生理が来なくて……念のためって、お母さんと産婦人科に行ったの」
ゆっくりとした口調で、俺の目を見ながら話す未央。
未央は、俺の事をそっと抱きしめた。
「ヒロくん………3ヶ月だって!」
え……?
3、ヶ月……?
「それって……」
「ヒロくんと、私の赤ちゃんだよ!」
未央のその言葉を聞いて、俺は未央をギュッと抱きしめた。
「未央……産んでくれるのか?」
「当たり前じゃん!」
「……ありがとう。未央、ありがとう…!」
俺達は、泣きながらお互いに抱きしめあった。