神様いけませんか?

墜落

義兄のおかげで学校に行けるようになった。


毎日、紺色のブレザーに袖を通すのが楽しみだった。


あの日学校から帰ってきた義兄の部屋に遊びに行った。

いつもと変わらない光景。

なんでこうなっちゃったんだろう。



いつものように他愛もない話をした後で義兄はあたしにこう言った。






「美桜、セックスって知ってる?」



あたしは言葉を失った。
知識はある、けれどなんだというの?
なんの関係があるの?


黙っていると義兄は無理矢理あたしを床に押し倒した。


「やだっ、やめて!」

抵抗し、声を出したけれど家には誰もいない。

いたとしてもあたしを助けてなどくれるはずがない。

義兄はまだ濡れていないソコに無理矢理挿れた。


あたしはただ天井を見て痛みを我慢することしかできなかった。

早く終われ、早く終われ。

それだけを祈っていた。


行為が終わると義兄はあたしに

「誰にも言うなよ」そう言った。


あたしの子宮からは精液と血液が混ざったドロドロしたものが流れてきた。

服を整え、部屋を出て真っ直ぐお風呂場へ向かった。

何度も何度も汚れた身体を洗った。


そんなことしても、汚れた事実なんて消えはしない。

義父と母に殴られるよりも痛い傷が出来た。


その日から地獄の日々が始まった。
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