心情セカイ
第一章 普通を求めて
「普通じゃできない…か」

学校も終わり、一人でゆっくり歩く。

いつも通りの景色を見つめ、ふと呟く。

さっき買ったコーラを飲み干す。

そして、ふぅーっと溜息をつく。


俺、園崎 零也は、一つの悩みを抱える。


それは学校を出る前、クラスメイトの男子生徒に言われたことだ。


「お前、普通じゃできないことをするよな。」


あの言葉に、一つの疑問を持った。


そもそも普通とは何を基準にしてるのか

「普通の人」「それが普通」とかよく聞くが、

普通というものは、本来どこにもないはずだ。

普通というのは、その人の考え方によって変わるものではないか?

俺はその男子生徒の考え方なんてわからない。

だから怖い。

彼の発言は、いいことなのか、悪いことなのか、わからないからだ。


「人の考え方を知ることのできる超能力があれば…な」


こんな考え方をするから、普通じゃないと言われるんだろうな。


「…憂鬱だな」


そう呟きながら、空っぽのコーラをゴミ箱に捨てた
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