あの日の桜は。【大幅修正中】

「あのさ、今日は本当ごめん」

 不意に聞こえた声に振り向くとしょんぼりと肩を落とす龍の姿が見られた。

 別にそんな申し訳なく思う必要もないのに。

 何回も思うけれど、今日のことは8割がた私が悪かった。

「気にしないでください。私があおったようなものでしたし。とにかく、お互い様ですよ」

「・・・じゃあ、また明日なっ!」

 その言葉を聞いて納得したのか口元をほころばせながら龍は言った。

「ふふっ、龍、明日は日曜日ですよ?じゃあ、また月曜日」

 恥ずかしさでやってしまったといった顔の龍を見て、そう言い残しマンションへと入った。
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