あの日の桜は。【大幅修正中】

 千景SIDE

_________

 軽快な音を奏でながらズボンのポケットが揺れた。

「もっしもーし、結構速かったねぇ、龍ちゃん」

 腕時計を確認するとまだ昼の3時半だ。

 遊園地にしては早すぎる帰り、何かあったという事だけど、ここにかけてくるってことは。

『いろいろあったんだ』

「んでー?俺にかけてくるってことは賭けの結果を教えてくれるんでしょー?」

『・・・千景の勝ち』

「そかそか、じゃあ約束は約束だからねー」

『分かってるよ。もう別に、莉子のこと追い出そうなんて考えてないし』
< 211 / 311 >

この作品をシェア

pagetop