あの日の桜は。【大幅修正中】
壁から離れて出口に出ようとした。
「あ、どうでもいい事付け足すけど」
不意に後ろから葵の声が聞こえ、振り返る。
今日は日差しがまぶしいな。
窓から入る夕方の鮮やかな光を手で遮りながらそんなことを思った。
「_____あの人帰ってきてるらしいね」
葵の声は至って普通で、無表情のまま、無感情のままその言葉を口にした。
・・・アイツが。
一瞬、頭に出てきたあの顔が憎たらしく笑う。