魔法の国で
ま、まじですか…。
「カイト、お嬢さんを魔術師様のところへ案内してあげて?」
「えー!僕が⁈」
「そうよ、カイトの魔法で連れて行ってくれたらとても助かるのだけど…」
「…わかった。僕行く」
「ありがとう、助かるわ」
カイトと呼ばれた男の子はゆっくりと私に近づいてきた。
「お姉ちゃん、こっちだよ」
そっぽを向きながらも手を差し出してくれた。
「カイトくんありがとう」
なんて可愛い子なんだろう。
照れて顔を真っ赤にしている。
「お姉ちゃんの名前は…?」
「ななせだよ」
「へぇ…。
ななせお姉ちゃん」
「ん…?」
「もう着いたよ」
「え、早いね」
まだ全然歩いてないんだけど…。
「魔法、使えるから…」
わぉ。カイトくんすごいな。
こんなに小さいのにもう魔法使えるんだね…。