魔法の国で




カイトくんに連れてこられたのは古い館のようなところ。

扉を押すとギィーっと鈍い音を立てて開いた。


「魔術師様いますか?」

「おぉ、よく来たなカイト。
それとお嬢さん」

「こんにちは…」


このお方が魔術師様か…

優しそうなおじいさん…。


「まぁ、立ち話もなんだから
こちらへおかけなさい」

「ありがとうございます」


「…今日ここへ来た理由はわかっておる」

「え…?」

「お主は人間じゃろう?」

「あ、はい…」

「匂いで分かってしまうよ。
早くこの薬を飲みなさい」

私は黄色い薬を2粒渡された。

「この聖水でゆっくり飲み込みなさい」

「はい」

言われた通り聖水で2粒の薬を飲んだ。


「これで何か変わったんですか…?」

「あぁ、人間の匂いが薄れたよ。
これでそこらの妖精は気づかないはずじゃ」

「ただし、妖精に化けた悪魔もおる。
十分に気をつけなさい。」


「ありがとうございます」

妖精に化けた悪魔、か…。

怖いな…。



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