魔法の国で
…知らない人に連れて来られたのは立派な部屋。
いや、とても立派すぎる。
シャンデリアがキラキラと輝いていて眩しい。
「…あの「お前は誰だ」」
扉と男の人に挟まれて逃げ場のない状態。
「え…」
「お前は人間か?」
ふと魔術師様の言葉が蘇ってくる。
“妖精に化けた悪魔もいる、くれぐれも人間だとバレぬように”
そうだ…。
私が人間だってバレちゃいけない。
この人、すごく整った綺麗な顔してるけど悪魔かもしれないし…!
「違い、ます…」
「嘘をつくな」
イケメンは私の顔の横に両手をつき、整った顔をグッと近づけてきた。
「嘘じゃないです…!」
半ば睨むようにしてその人を見る。