自由を求めて
ハジメテの世界
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コンコンっ
「失礼します。栞里様、お夕食のご用意が出来ましたよ」
「うん、分かった」
あたしはお嬢様。
て言っても、昔話に出てくるみたいな王子様を待つ、みたいな可愛いことはしない。
学校以外は家からは出られない。
毎日が窮屈で息苦しい。
でも父さんを悲しませることもしたくない、だからこの家で毎日縛られ暮らす。
ガチャ…
「おはよう父さん」
「おはよう栞里、よく眠れたか?」
「うん。あれ、朱理は?」
大きなテーブルに並べられてるのは二人分の食事だけ。
あたしの向かいにあるはずのもう一人の、朱理の分がない。
「朱理なら先に出てったぞ、今日は朝練があるからってつい10分前に」
「…そうなんだ」
朱理はあたしの二つ下の妹。