自由を求めて
「朱理」
「あっ、恭くん!」
「おかえり恭弥」
「あぁ」
現れたのは高身長の男。
とても整った顔立ちで手足も長く、一言でまとめるならものすごいイケメン。
……でも誰?
随分朱理が懐いてるし、友達かな…?
「…お前誰だ?」
「えっ…?」
突然声を掛けられびっくりしたから顔を上げると、眉間にしわを寄せたそのイケメンが立っていた。
その目は威嚇するみたいにギラギラとした漆黒の黒だった。
「恭くん、この子うちのお姉ちゃんの栞里だよ」
「……あそ」
なんか、感じ悪いな…
「響、こいつも行くのか?」
「そうだけど」
「……」
あたしのことを一瞥してさっさと行ってしまった。
うーん、…前に相馬さんに聞いたフリョウってやつに似てる、気がする…
「栞里さん?」
「え?…あ、あぁ、なに?」
「そろそろ行きますよ」
「行くって、どこに?」
首を傾げ聞くと響はクスッと笑い、着いて来てくださいと前を歩いた。