自由を求めて
ブォン ブォン ブオォォォンっ…
「な、なにこれっ…」
耳に劈くような音がドカドカと割り込んでくる。
「栞里っ、耳大丈夫ー!?」
「っ、なんとか…」
これ、鼓膜破れないかな…
「ごめん、うるさいでしょ?」
「いえッ…」
それより、これからなにを…
「栞里さんはこれ乗ってください」
「あ、はい」
横付けされた黒いフルスモークの車。
なんでこんな車持ってるんだろ、この人達もお金持ちなのかな…?
「でもまだ高校生なのに、こんな高級車…やっぱりお金持ち、……いやでも…」
「栞里さん?なに言ってるんですか?」
「ハッ……いや、なんでも」
危ない、口に出てた…
「よしっ、準備オッケーだなお前ら!」
「「「はいっ!!」」」
海斗の一言でその場の全員が同時に叫んだ。