自由を求めて
「…すごい」
「当たり前だろ!」
自信満々で言い切る海斗。
なんか楽しそう…
海斗に限らずその場の全員が皆とても楽しそうで、見てるだけで羨ましくなってくる。
プルルル プルルルッ…
「あ、ちょっとごめんッ…はい九条です、……父さん?」
カバンの中で鳴るスマホを取り耳に当てると、電話の相手は仕事で忙しいはずの父さんからだった。
『栞里、お前今どこにいるんだ?』
「えっ、…急になに?」
『今、学校から連絡があったんだ。お前が見知らぬ男達と一緒に車に乗り込んでいたと』
「…っ!!?」
『どういうことが説明しなさい、お前の返答次第では俺も黙ってはいないぞ』
「っ、…父さん、それには事情がッ」
『言い訳は聞かん、今すぐ帰りなさい。俺もなるべくすぐに帰るから』
プッ…ツーツーツー
「なんだ?」
「ぁ、…ごめん、あたし帰らないと」
「え?もしかして都合悪かった?」
「いや、違うけど…その、お父さんに急用で呼ばれちゃって…」
「えっ、パパは仕事じゃないの?」
いつの間にか会話に入っていたらしい朱理。