自由を求めて


〜恭弥Sido〜



朱理の姉だという女を家まで送ると、家の方から視線を感じた。


ふと見てみるが、誰もいなかった。




「恭くん、栞里のこと嫌いなの?」

「……なんでだ」

「んー、なんとなく?…でも栞里には栞里なりにも色々事情があるし、だからあんまり嫌わないであげて?」

「…お前は優しいんだな」

「そんなことないよっ、…だってうちは」



そこまで言いかけると首を横に振り、顔を上げた。



「ううん、なんでもない!さっ、行こ行こー!皆待ってるよっ!」



何事も無かったように笑顔で話す朱理。



その笑顔は、まるで仮面をつけてるような嘘の笑顔に見えた。



けどなにも言わなかった。

いや、言えなかった。


朱理の目がこれ以上は入ってくるなって言っているように見えたから。







しかし、後々俺はその真実を知ることとなるーーー…






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