自由を求めて

現実と夢




ーーーーブロロロっ…



朝の登校、車の中。



「栞里様、本日午後6時よりダンスの講師がいらっしゃいますのでお帰りになられたらすぐにお支度をお願いします」

「ダンスの講師?なんでまたこんな時期に?」

「もしや栞里様、知らされていらっしゃらないんですか?」

「うん、なんかあるの?」

「はい、3週間後に九条家でのダンスバーティーが開催されるんですよ」

「えっ、うちで!?なんでそんな急にっ、…ていうかどうして前もって言ってくれなかったの相馬さんっ!」

「すみません。ですが栞里様、先週の金曜日に龍也様が夕食の時間に話していましたが」

「え!?あたし聞いてない!」

「そうだと思いました。栞里様、なにやら考え事をしていたのか、ずっとポケッとしていましたし」



肩を震わせクスクス笑う相馬さん。



「うぅ、…そんな笑わなくても/////」

「すみません、……プっ、ふふ…」



本当、相馬さんっていい性格してるよ…



「あっ、栞里様もう着きますよ…ふふッ」

「…迎え来るまでには忘れといてよ」

「はい、分かりました…プっ」



どんだけツボってるのこの人は…



キキィィィィっ……ガチャっ



「それでは、行ってらっしゃいませ」

「行って来ます。…忘れてよね」

「分かってます」



まだ微妙にニヤけている相馬さんにもう一度言ってから、校舎に向かった。

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