自由を求めて


ザワザワっ…



この日は騒がしかった。


登校した時は何事かと思ったけど、今ならその理由が分かる。




「九条栞里っ!出てらっしゃい!今日こそ決着をつけてやるわよ!!」



朝からうるさいのが来たよ…



「九条さん、あの…」

「大丈夫だよ、ごめんね?うるさくて」

「い、いえ!/////」



頬を赤らめ首を振るお嬢様。



「朝から随分な挨拶だね、櫻子」

「出たわねっ、今日こそ貴方を負かしてみせるわ!」



まったく、なんの恨みがあってこんな目にあわされなきゃいけないのか…



「取り敢えずここじゃ邪魔になるから、移動するよ」

「クスっ、負ける姿を見られたくないのね?いいわよ、場所を変えましょ」



別にそういうつもりで言ったんじゃないんだけど、……まぁいっか…




「ねぇちょっと」

「なに?」

「あ、あの……そ、」

「そ??」



顔を赤らめそっぽを向く櫻子。



「だからっ、……そ、そぅ…ッ」

「なによ、ハッキリしないなんて櫻子らしくない」

「う、うるさいわよ!なんでもないわ!!」



変なの…あ、元からか…


< 19 / 45 >

この作品をシェア

pagetop